2024年2月
住宅(一般家庭)へ供給される電圧は100Vとなっていますが、その電圧範囲は電気事業法で95V~107Vを維持することとしています。家庭で電気を使えば相応の電圧降下によって電圧は変動するわけで、供給側(一般送配電事業者)の状況や各家庭の使い方・設備容量の違いもあり、果たしてこの範囲に収まっているのでしょうか?
そこで今回は我が家の分電盤において、幹線の電力を計測することで消費電力及び電圧、ついでに力率も計測しました。計測にはいつもの「省エネでまこん(DEMS)」を使用しています。
計測結果
・分電盤での電圧は100V~107Vで、平均は105V
・力率は遅れ73%~進み76%で、平均は進み96%
・力率は遅れ73%~進み76%で、平均は進み96%
対象:2024年1月30日~2024年2月6日(30分間隔)
まとめ
- 計測のタイミングや計測器誤差などの影響はあるが、電圧は法の範囲内(95V~107V)に収まっていた(図1)。ばらつきについては95%が103V~106Vに収まっており(図3)、よく管理されている
- 図1において、低めの電圧は6時~17時の間に多く出現し、高めの電圧(106V程度)は12時付近に出現
- 同じく図1において、力率は昼間は遅れぎみで夜間は進みぎみ。17時台に最も遅れ、77%程度。一方、最も進んだのは深夜、冷蔵庫が停止している時間で77%程度の進み
- グラフで”移動”という名称の負荷は「こたつ」。昼間に力率が遅れているのはこたつの使用が要因の一つ
グラフの説明など
図1 ある日のロードカーブ(1月31日 30分間隔)
・電圧と力率は毎時00分,30分のときの瞬時値(第2軸 力率100%以上は進み)
・エアコン等の機器は電力量(第1軸 単位:Wh)
・未計測=全電力量-∑個別電力量
図2 図1の詳細グラフ(14時中心)
・1分間隔での計測
このように、「省エネでまこん」では30分計測に加えて1分間隔でも計測。より正確な分析などにに有用
図3 ヒストグラム(1月31日(1分間隔)の電圧、n=60分✕24時間)
図4 分電盤
その他
・電力計は電力だけではなく、電力量・電圧・電流・力率などのデータも取り込むことができます。
図4