圧縮空気(コンプレッサ)のコスト(2019.6)
本項では、実際に稼働している工場の圧縮空気(コンプレッサ)の製造コストはいくらであるか、調べた結果を紹介します。
a工場 | b工場 | c工場 | |
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コンプレッサ消費電力量[A](kWh) | 177 | 61 | 31 |
同上吐出空気量[B](m3) | 1,504 | 370 | 132 |
比動力{kW/(m3/min)} | 7.06 | 9.89 | 14.09 |
圧縮空気製造コスト[C](円/m3)※ | 1.8 | 2.5 | 3.5 |
参考[D](コンプレッサ負荷率(%)) | 51 | 29 | 44 |
参考[E](コンプレッサ比率) | 28 | 25 | 2 |
3工場ともに数年前に新規導入したインバータコンプレッサですが、上表のとおり圧縮空気の製造コスト(円/m3)はやや異なっていました。特にc工場は悪くなっていますが、他工場に比べ能力が小さく冷却ファン動力の比率が圧縮機動力に比べて大きいなどが要因と推定されます。
※ 2020年1月追記 —
(円/m3)は吸い込み側の空気量1m3のコストです。圧力0.6MPaで吐出された空気であれば、以下のようになります。
P1[MPa]×V1[m3]=P2[MPa]×V2[m3] 0.10×1=(0.10+0.60)×V2 V2=0.14m3
0.14m3の吐出空気が1.8円~3.5円とすると、大切に使用しなければならない気持ちがより強くなります。
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以下、データ補足
- 各データは、2019年4月~6月のある一日のコンプレッサの電力量と吐出空気量の計測データで、8:30~17:30の集計値
- 圧縮空気製造コスト[C]は、「(A÷B)×電力量単価」で計算。電力量単価は15(円/kWh)とした
- 参考[D]は、「A(電力に変換)÷コンプレッサ定格電力」
- 参考[E]は、「A÷受電電力」
- 比動力:圧縮空気1m3を製造するため必要なコンプレッサの動力。したがって、値が小さいほど効率よく圧縮空気が製造できていることを示す
- 各データは省エネでまこんに蓄積されたものを読み出した。なお、下図はc工場のコンプレッサ稼働状況(30分単位)