コンプレッサ並列運転

コンプレッサ並列運転の状況

本項では、コンプレッサ並列運転の様子を紹介します(図1)。コンプレッサは2台で、インバータ機と非インバータ機(定速機)の組み合わせで、それぞれに空気流量計が付いています(図2)。

図1 コンプレッサ2台運転(電力・吐出流量・圧力)

図2 コンプレッサ並列のイメージ

図3 コンプレッサの吐出空気量、消費電力比 (インバータ機の消費電力は風量に比例するため高効率)

解説
1)図1はある朝のコンプレッサ電力、流量、レシーバタンク圧力を時系列に示した図。インバータ機はベースコンプレッサとして常時運転。
2)9時30分前に、2台目(定速機)を起動。と同時に、インバータ機の出力は一気に減少。
3)数分後、空気需要が減少しため圧力が上昇すると、定速機の流量は一気に減少(9:37)。
4)再び、9:41ころから空気需要が増加し、圧力が低下したため低速機の吐出空気は増加。
5)9:49にはさらに空気需要が増加し、圧力が低下したためインバータ機の出力が増加。その後、9:52分には空気需要がやや少なくなり圧力が上昇。このように空気需要の変動吸収はインバータコンプレッサが担っており、定速機の出力はさほど変動しない。
6)この間、インバータ機では吐出流量と消費電力は比例していますが、定速機では吐出流量が少なくなっても消費電力はさほど減っていません。この関係を表したものが図3です。

以上は、コンプレッサの並列運転の基本的な動きです。工場で使用している流量(圧縮空気)が1台のコンプレッサで不足した場合、2台目を運転し不足分を補います。流量は刻々と変化するためインバータ機を流量調整用として使用し、定速機をうまく組み合わせることで省エネと投資コスト抑制(※)を図ります。必要な時だけ2台目の定速機を運転することで保守費用も抑制できます。

空気需要のパターンが単純であれば、タイミングに合わせて2台目のコンプレッサを起動・停止することで対応できますが、予測できない場合、流量や圧力を計測しながら2台目のコンプレッサの運転を自動制御するとより効率化が図れます。

※2台ともインバータである必要は必ずしもない

注意

・定速機の吐出圧力はインバータ機よりもやや高めで設定

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